元プロ馬原が考える投球理論
元プロで日本代表の経験もある馬原孝浩が投球理論を語ります。
選手引退後は柔道整復師の国家資格を取得するなど、医療面からもアプローチできる専門家です。
肩甲骨を使えれば肘から上げられる
普段手を挙げる時は手首から上げますが、投球においては程度の差こそあれ肘から動かします。
肘抜きと呼ばれるような極端な動きは忌避されますが、体の斜め下に腕が来るまでは肘主導で動かし、胸くらいの高さで手首が肘より高くなるような動かし方が理想です。
肩甲骨を使えないと最初から腕主導で上げることになるため、野手投げになります。
投手は肩肘に負担がかからない範囲で腕のねじれを使ってスピードアップしたいわけですから、肩甲骨の柔軟性はより重要になります。
インナーマッスルを鍛えてケガを予防する
肩回りのインナーマッスルは
・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋
の4つがあります。
これらを鍛え、かつ柔軟性を高めることで球速が上がってもその勢いに肩が耐えられるようになります。
むしろ成長途中の子供こそインナーマッスルを鍛えるべきだとも述べています。
インナーマッスル強化にはチューブを使います。
棘上筋
普段腕を上げる際は三角筋や僧帽筋といったアウターマッスルを使いますが、負荷の大きい投球動作を何度も繰り返す際にそれらの筋肉を使うとインピンジメントと呼ばれる症状を発症します。
これは筋肉が柔軟に動かないために肩内部の骨がぶつかることを指します。
これを防ぐためにはインナーマッスルを鍛えて、脱力した状態で腕を上げられるようにします。
棘下筋、小円筋
この2つは腕を外側に開いたり、体の後ろに持っていく際につかいます。
腕のしなりに関わるので、球速に影響します。
しっかり鍛えて、柔軟性も兼ね備えていないと疲労が抜けません。
肩甲下筋
この筋肉は腕を内側に動かす際に使います。
(2020年7月3日 馬原孝浩より)