前鋸筋と腕の内側を柔らかくして肩甲骨をスムーズに動かす
前鋸筋が固いと腕がスムーズに動かない
脇腹付近にある前鋸筋が固くなると、腕の上げ下げに支障が生じ、肩甲骨の動きが制限されます。
腕をスムーズに動かすために、前鋸筋と腕の内側のストレッチをしましょう。
外旋状態を作り、巻き肩を改善する
手を前に伸ばし、手のひらを下に向けて反対側の手で指を上に引くストレッチをしたことがある方は多いと思います。
しかし、外旋状態を作り、前鋸筋に収縮の動きを付けるにはその逆を行います。
伸ばすほうの腕を前に伸ばして手のひらを上に向け、反対側の手で指先を下方向に引きます。
そして指先を外旋方向(外側)に回転させます。
このようにすることで伸ばした腕のほうの肩が下がり、前鋸筋が収縮され、ストレッチ効果が得られます。
腕の内側を緩め、巻き肩を改善する
腕の内側が固くても、肩に負担がかかり、巻き肩になりやすくなります。
そこで腕の内側部分をストレッチします。
腕を横から少し前方向に伸ばし、手のひらを上にします。
そして手のひらを壁に押し付けるなどして指を下に伸ばします。
この時肩がすくむような動きをしないように注意してください。
肩がすくむことなく脱力できると腕の内側の筋肉も伸ばされ、緩んでいきます。
腕の内側が伸びると、腕が肩を引っ張る力が弱まり、巻き肩が改善します。
巻き肩が改善することで肩関節全体を後ろに動かす可動域が広がり、球速アップにつながります。
前鋸筋を有効活用することで下半身の力を腕に伝える
投球動作において下半身が重要であることは言うまでもないことですが、下半身の力が背中全体を通して腕に伝わるわけではありません。
バッティングにおいては両足で立っているため、両足からの力が背中全体を通して両腕に伝わりますが、ピッチングにおいては軸足で片足立ちし、最終的に軸足側の腕でボールを投げます。
そのため軸足から投げる方の腕には、軸足側の体側を伝ってエネルギーが伝えられます。
そのエネルギーの通り道である軸足側の体側(脇腹の少し上)に前鋸筋があるため、前鋸筋の柔軟性が重要なのです。
体の使い方が上手な選手は、軸足で片足立ちした際に収縮している前鋸筋をパワーが伝わる際に伸ばすような形にして腕にエネルギーを送り込みます。
腕がトップからリリースポイントに動く際に前鋸筋も上手く伸ばして力を効率的に伝えているのです。
前鋸筋を伸ばす感覚を身に付けられれば球速アップが期待できます。