踏み込み足の力が抜けると球速が上がらない
踏み込み足の役割
踏み込み足(前足)は投球時の支点となります。
具体的には軸足から送り込まれたパワーを受け止め、踏み込み足側の股関節を支点にしてそのパワーを上半身へ送り込み、体の回転につなげていきます。
そのため、踏み込み足の力が抜けるとせっかく軸足側で作られたエネルギーが抜けてしまい、上半身に伝わるパワーが減ってしまいます。
下記の動画で踏み込み足の使い方を見ていきましょう。
中殿筋の力を抜かない
この動画では中殿筋の重要性について解説しています。
中殿筋は腰の横、体側部分にある筋肉です。この筋肉に上手く力が入らないと、反対側の腰を上げることが難しくなります。
踏み込み足側の中殿筋が上手く使えないと軸足側の骨盤を上げることができないため、軸足の力が十分に伝わらなくなってしまいます。
改善トレーニングは片足立ちで行います。
「休め」の姿勢の時には支え足と反対側の骨盤が下がりますが、この時に中殿筋に力を入れて足を真っ直ぐにすることで反対側の骨盤を上げることができます。
そのまま投げる動作のように骨盤を回転させると、ピッチング時の正しい骨盤の動きをマスターすることができます。
踏み込み足の膝を前に出し過ぎないようにする
踏み込み足の膝が前に出過ぎる(膝から下が投げる方向に傾く)と膝の部分で力が前に抜けていきます。
膝が前に出過ぎない場合(膝から下が投げる方向と反対に傾く)は脚に関して膝を支点に突っ張る形になるため、力は腰の方にかかっていきます。
踏み込んだ際に足は地面から床反力を受けるため、この力が膝で抜けずに腰を通して上半身に伝えられると、より大きなパワーを生み出すことができます。
その際に力が下から上にかかるため、中殿筋の力と相まって軸足を上に引き上げる力が働きます。
膝が前に出過ぎないように、踏み込み足が着地する際はかかとから着地し、かかとやくるぶしで踏ん張るイメージを持つといいと思われます。
床反力を生かすための練習
動画では2つの練習が紹介されています。
1つ目は膝下からすねの部分で突っ張りながら腰に力を伝え、上半身は前に動かす練習です。
床反力を感じる部分だけを集中的に反復して、体に染み込ませてきます。
2つ目は床反力を利用して軸足の蹴り上げを行う練習です。
軸足を前に動かすだけでなく、軸足側の腰を意識しながら骨盤を傾けて軸足を蹴り上げます。
軸足側の腰が上がることで踏み込み足側の股関節に床反力が集中し、下半身から上半身への力をロスすることなく伝えられるようになります。